カンボジアには、現在3か所の世界遺産があります。

まず、1992年に登録された、アンコール・ワットを中心とするアンコール遺跡群。2008年に登録された、タイとの国境地帯にあるヒンドゥー教のプレアヴィヒア寺院。ここは、以前から領土争いが絶えなかったところですが、1962年にハーグの国際司法裁判所からカンボジア領と認められました。しかし現在も国境警備の兵士がいて、タイ国人は入場できません。
そして、2017年に3番目の世界遺産となったのが、サンボー・プレイ・クックです。シェムリアップとプノンペンのちょうど真ん中あたりにあって、シェムリアップからは車で片道3時間ほどかかります。

森の精霊と分かち合う

近隣に食べるところなどなさそうだったので、簡単なお弁当を持ってゆきました。到着してそれを広げると、セイハーがちょっと待って、といって、木の葉の上にご飯とおかずを少しだけ取って、近くにあった石の上に乗せました。「カンボジアの森には精霊が住んでいるから、彼らと分かち合うんだよ」といって、彼は小さく祈りを捧げたのです。ああ、美しい文化だなぁと思いました。

ここは7世紀初め、プレ・アンコール期と呼ばれる時代に建造されたものです。クメール人最初の都城です。 アンコール・ワットよりも500年も前で、インド南部の影響が強いようです。フランスの統治下で、陸軍少佐によって外部に紹介されました。他では見られない八角形の珍しい形をしています。

悠久の時の流れと熱帯気候の元、樹木に飲み込まれてしまった祠堂。

1400年の長きに渡って、祠堂をじっと守り続けたライオン。巻き毛のたてがみがとても美しいですね。

世界遺産といってもロケーションが悪いせいもあって訪れる人は少なく、私たちが行った時も、観光客らしき人は数えるほどで、あとは祈りを捧げに来る現地の人たちでした。遺跡の周りで静かに暮らすクメールの人たちによって、精霊の住む森は今も守り続けられているようです。

今回は時間も予備知識もなかったので、大雑把な一巡りになってしまいましたが、いずれもう一度やって来て、近隣の村人たちとも交流したいと考えています。再びの報告をさせていただきます。