シェムリアップに新しい空港が建設中であるという情報を得て、どこまで進んでいるのか見に行ってみようということになりました。市の中心部から東北方向に50キロほどの、Sout Nikom に、昨年7月の総選挙後に着工されたそうです。

ネットで調べてみると、請け負っているのは中国国営の Yunnan Investment Holdings Ltd. で、敷地面積750ヘクタール、 総工費10億ドルです。

確かに現在のシュムリアップ空港は、利用者の規模からしたら圧倒的に小さく、通関業務にも世界一(?)時間がかかり (私が知る限り) 、利用者からしたら不便極まりない空港ではあります。世界遺産のアンコール・ワットに近接しているため、飛行条件に規制がかかるのが課題になっているとも聞きます。

それにしても、50キロとはあまりに遠く、高速道路もないので、出迎えだけでも膨大な時間がかかりそうです。鉄道を走らせるのかなと思ったら、やっぱり上記と同じ企業がすでに工事にとりかかっているようです。

Googleマップに導かれるままに1時間ちょっと走ると、入り口はありました。

『私人土地、禁止入内』と書いてあり、若い、人の好さそうなガードマンが立っていました。750haあるのですから、もちろんのこと空港ビルのお姿など影も形も望見することなどできません。こりゃだめだわと諦めかけていたら、セイハーがなんとかうまく交渉してくれて、扉を開けてもらうことができました。

なにしろ750haあるのですから、両側の景色はこんな感じです。こんなのどかで美しい景色も、あと1,2年もすれば、コンクリートに塗り固められた無機質な世界共通の風景に変わって行くのでしょうね。

牛さん、最後の草、モグモグいっぱい食べてね。

なにしろ空港造ってるんですから、電気はしっかり引いてありました。

しばらく行くとまた阻止線が張ってあったのですが、ちょうど前から1台出てくるところでゲートが開き、私たちも素知らぬ顔で通過に成功しました。

なにしろ750haですから、ゆけどもゆけどもそれらしき建造物の片鱗すらかすらないうちに3番目のゲートです。セイハーがガードマンに何か言っていますが、ここはすんなりとはいきそうにありません。

で、前方を見ているうちに、ハタととんでもないことに気が付きました。このゲートの標識には、『机場重地 厳禁入内』(机場=飛行場)と書いてあるのです。前の2か所は、『私人土地 禁止入内』でした。つまり、750haという飛行場の土地はここから始まっているのです。

ガードマンいわく、工事現場はまだ10キロくらい先だそうです。10キロは正確でないにしても、それほど遥か彼方で工事は密かに進行しており、当然のことながらカンボジア政府の土地であろう飛行場の周辺数キロに渡っては、すでに「私人」に買い占められているということがわかりました。この一帯に鉄道駅ができ、ホテルやレストラン、ショッピング街など、外国人観光客が行き交うエアポートタウンが建設されるのでしょう。

帰ってから改めてネットで調べてみると、2017年10月、習近平がカンボジアを訪れている最中に、この雲南の国営企業とカンボジア開発評議会の間で覚書が締結され、そして、完成の後55年間、空港の管理と運営は、この企業に委託されるという内容が盛り込まれているようです。

あぁ、我が愛するカンボジアは、この先いったいどこに飛び立とうとしているのでしょうか?