九州から来ていただいたお客さん達と一緒にコー・ケー遺跡に行ってきました。シェムリアップ市内から北東へ90キロほど。10世紀初頭に建造されたヒンドゥー教の寺院です。

樹木の幹や根に絡みつかれて悲鳴をあげていそうなこれらの風景は、アンコール・ワットの近くにあるタプローム遺跡で有名ですが、あそこは観光客がわんさか押し寄せるので、インスタ映えポイントでは行列ができる賑わいとなります。発見当時のままの姿を残すために、一部の樹木を伐らずにそのまま意図的に残した光景ですが、コー・ケーの方がもっと元々の姿に近いのでしょう。比較的細い根っこまで、うねうねと大海を泳ぐ蛇の群れのような姿で残っています。やや北部に位置するために、熱帯樹の茂り方も違っていたのだと思います。全体の森の雰囲気は、サンボー・プレイ・クックの姿とよく似ています。

私たち以外にはほとんど観光客の姿を見ることもなく、野鳥のさえずりと、カサコソと足の下で鳴る枯れ落ち葉の音だけが耳に響いて、いやがうえにも、古人の暮らしぶりへの想像力がかきたてられます。なぜ彼らの文明は滅んだのだろうか?彼らの栄華の痕跡も、ほんとうはひっそりと樹木の中に消滅させてしまった方が良かったのではないかしら、と、私は考えてしまいました。

1000年以上も祠堂を守っていた孤独な象さん。

プランと呼ばれる、高さ約35m、7段のピラミッド型の建造物。おそらくこの頂上に中央祠堂が建っていたのではないかといわれています。現在は、階段が整備されていて、頂上まで登ることができ、そこからは見渡す限りの樹海が広がります。